【知らないと痩せない!?】月経周期とダイエット3つのキーポイント

月経周期とダイエットの重要な関係性

ダイエットは多くの女性にとって重要なテーマですが、その過程で見落とされがちなのが「月経周期」とその周期がダイエット、そして健康にまで及ぼす影響です。

実際に、月経周期を理解し、それに合わせたダイエット戦略を立てることは、健康を維持しつつ、より効果的に体重管理を行う上で欠かせない知識となります。

女性の体は、約28日周期で大きな変化が起こり、この周期は主に4つのフェーズ(月経期、卵胞期、排卵期、黄体期)に分かれます。これらのフェーズごとに、ホルモンバランスの変動が起こり、食欲、エネルギーレベル、気分、体の感覚などに大きく影響を及ぼします。この周期的な変化を無視してダイエットやトレーニング計画を立てると、効果が出にくいだけでなく、時には体調を崩す原因にもなりかねません。

この記事では、月経周期とダイエットの間に存在する重要な関係性、そして各フェーズにおける体の変化を理解し、それぞれのフェーズに適したダイエット戦略を提案します。ボクシングトレーニングなどの運動も含め、月経周期を意識したライフスタイルの調整が、ダイエット成功の鍵となるでしょう。

月経周期を味方につけることで、無理なく、そして健康的に体重管理を行うことも可能です。月経周期の各フェーズがダイエットにどのように関係しているのか、詳細に見ていきましょう。

月経周期の概要とそのフェーズ

月経周期は、女性の生殖システムにおける自然なプロセスで、一般的には約28日間続きますが、個人差があり25日から38日の範囲で変動することがあります。この周期は主に4つのフェーズに分けられ、各フェーズでは異なる生理的変化が起こります。これらの変化は、卵子の成熟、排卵、受精可能性、そして受精が起こらなかった場合の月経(生理)に備える体の準備に関連しています。

1. 月経期

期間: 月経周期の1日目から約3〜7日間

この期間中に、子宮内膜が体外に排出されます。これは「生理」として知られ、血液と子宮内膜の組織が主な成分です。

子宮は受精卵を受け入れるための準備として、前周期の子宮内膜を剥がして新しいサイクルの開始を告げます。

2. 卵胞期

期間: 月経期と重なり、月経周期の約14日目(排卵まで)続きます。

卵胞刺激ホルモン(FSH)の増加により、卵巣内の複数の卵胞が成長します。これらの卵胞のうち、最も成熟したものが最終的に排卵に向けて準備されます。同時に、子宮内膜は再び厚くなり始め、受精卵の着床を準備します。

3. 排卵期

期間: 卵胞期の終わりごろ、通常月経周期の中間点にあたります。

LH(黄体化ホルモン)の急激な増加により、成熟した卵胞から卵子が放出されます(排卵)。受精可能な卵子の放出を行い、この時期が最も妊娠しやすい時期です。

4. 黄体期

期間: 排卵後から次の月経が始まるまで、約14日間。

排卵後、卵胞は黄体に変わり、プロゲステロン(妊娠を維持するホルモン)の生産を始めます。これにより、子宮内膜は受精卵を受け入れるための最適な状態になります。受精が起こらない場合、黄体は退化し、プロゲステロンのレベルが低下し、子宮内膜は崩れて次の月経期に入ります。

この時期は月経前症候(PMS)の症状として、人によっては頭痛が出ることがあったり、むくみも生じやすく、急に体重が増えることもあります。

また、イライラしたり落ち込みやすくなったり、精神的な症状が出ることもあります。これらのフェーズは女性の心身への負担を考えると喜ばしいことばかりではありませんが、女性の体にとって非常に大切でなくてはならないフェーズです。

月経周期を利用したダイエットの3つのキーポイント

月経周期を理解し、それをダイエットに活かすことは、女性にとって非常に有効なアプローチです。

月経周期を利用したダイエットの成功に欠かせない3つのキーポイントについて解説します。

1.運動強度の最適化

月経周期の各フェーズに応じて、体と心には大きな影響が起こります。卵胞期から排卵期にかけてエストロゲンレベルが上昇し、気持ちも前向きになりやすく、また食欲もコントロールしやすい時期なので、この期間はダイエットに適している時期といえます。運動強度も上げていきましょう。

一方、黄体期にはプロゲステロンの作用で体も心も不安定になりがちで、イライラしたり、憂鬱な気分になりやすかったり、個人差はありますが腹痛も出る方もいます。食欲のコントロールもしにくくなり、むくみやすい時期でもあるので、ダイエットには適していない時期といえます。この時期は体重の維持を目標とし、運動の強度はこの期間の体調に合わせて調整する必要があります。

さらに各フェーズに適した運動強度を詳しく解説していきます。

月経期

月経期は体力や気力が低下しがちです。この時期は、軽い運動、もしくは無理に運動せず軽いストレッチなど、体に負担をかけない強度にとどめておきましょう。ボクシングトレーニングにおいても、運動強度を下げて、心拍数を上げすぎずに体を動かしましょう。体調に合ったボクシングトレーニングは、月経痛や気分の浮き沈みを軽減することにも役立ちます。

卵胞期

卵胞期にはエストロゲンのレベルが上昇し、体力や気力が回復し始めます。この時期は、ダイエットに向いている時期で、徐々に運動の強度を上げていくのが良いでしょう。特に有酸素運動や筋トレは、この期間中に効果的です。ボクシングトレーニングもミット打ち、サンドバッグトレーニングなど、楽しみながら強度を上げていきましょう。

排卵期

卵胞期に続き、排卵期は月経周期の中でエネルギーレベルが高く、ダイエットに適している時期です。この時期には、運動の強度をさらに上げ、より積極的に運動を行うのが適しています。ボクシングトレーニングにおいても、新たな技術へのチャレンジ、自身の全力を出して思い切りトレーニングするのにも適した時期です。

ただし、排卵期は感情の起伏が激しくなることもあるため、精神的なストレスを感じたら無理をせず、休息を取ることも重要です。

黄体期

黄体期に入ると、プロゲステロンの影響で体温が上昇し、眠気やむくみを起こしたり、食欲が増加することがあります。運動面では、黄体期の後半にかけては体が重く感じられるため、運動強度を調整し、体調を整えることに重点を置くことが推奨されます。

ボクシングトレーニングにおいても気持ち良く行える程度の強度に落とし、ゆっくりとストレッチなどを重視して行いましょう。この時期は、オーバートレーニングを避け、十分な休息を取ることが重要です。

各フェーズに応じたダイエット戦略を取り入れることで、女性は自身の体調やホルモンバランスの変動に合わせた健康的なダイエットと運動を実施できます。自分自身の体と向き合い、月経周期を味方につけることが、より良い結果を出すためにも重要となります。

2.月経周期に応じた食事プラン

黄体期に入ると、食欲が増加する女性が多くいます。これは、プロゲステロンの増加による影響と考えられています。この時期は無理な食事制限を行うとストレスが溜まり、逆効果になることがあるため、健康的な間食を用意しておくなど、工夫が重要です。また、この時期のダイエットは「維持」することを目標として、体に負担をかけるような減量を行わないことも長期的な視点でダイエットの成果を出すためには重要です。

運動強度も気持ち良く行える程度にとどめ、体調がすぐれない場合は運動を中止し、ストレッチを行ったり、休んでリラックスすることを大切にしましょう。

心身に強いストレスをかけながら行うダイエットは一時的に成果は出ても、長期的な視点で見るとリバウンドのリスクも高くなります。

体の変化をサポートし、トレーニングの効果を最大化するために、さらに各フェーズに応じた食事プランに関して、詳しく解説していきます。

月経期

心身に様々な影響があり、多くのエネルギーを必要とするこの期間は、鉄分やビタミンB群が豊富な食品を積極的に取り入れましょう。レバーやほうれん草、ひじきなどは鉄分を、全粒粉製品やナッツはビタミンB群を豊富に含んでいます。これらはエネルギーレベルをサポートし、月経による鉄の損失を補います。

また、鉄分はビタミンCと一緒に摂ると吸収力がアップするので、ビタミンCを豊富に含む野菜や果物と一緒に摂ると効果的です。

一方で、コーヒーや緑茶に含まれる「タンニン(ポリフェノールの一種)」は鉄の吸収を妨げるので、食事中に一緒に摂るのは避けましょう。

卵胞期から排卵期

エネルギーが上昇し、運動意欲も向上するこの時期は、積極的にトレーニングを行いつつ、複合炭水化物や良質なタンパク質をバランス良く摂ることが重要です。

玄米、全粒粉パスタ、さつまいも、オートミールなどの複合炭水化物を取り入れることで、トレーニング時のエネルギーを確保し、効果的なトレーニングを行うことができます。

また鶏肉や魚、豆類などからタンパク質を意識的に摂ることで、トレーニングで消耗した体の修復が行われるだけではなく、過剰な食欲を抑制する効果や、代謝アップの効果もあることがわかっています。

なのでタンパク質不足は、筋肉の回復が遅れるだけではなく、食欲を抑えられないことにつながったり、代謝を落とすことにもなり、結果的にダイエットを成功させにくくなるのです。

黄体期

妊娠に備えて栄養や水分を蓄えようとするこの期間は、むくみやすく、体重増加や体のだるさ、頭痛、疲れやすいといった状態にもなりやすくなります。また、気分もイライラしたり、落ち込みやすいこの時期は、過食にもなりやすく、その影響でまた体重が増加することでイライラしたり、落ち込んだりする、といった悪循環にも陥りやすくなります。

この期間は、厳しい食事制限は行わず、体重を落とすことではなく体重維持を目標とし、良質な脂質と食物繊維を多く含む食事を意識的に摂りましょう。アボカドやオリーブオイル、ナッツ類は良質な脂質を、野菜や果物からは食物繊維を摂ることで満腹感を長持ちさせ、余計な間食を防ぎます。

3.PMSの理解と対応

PMS(月経前症候群)は、多くの女性が月経の前に経験する身体的および精神的な症状の総称です。症状は個人差があり、軽度なものから生活に支障をきたすほどまで様々です。ここでは、PMSの理解とその対応方法について詳しく解説します。

PMSの症状は多岐にわたり、以下のようなものが含まれます

  • 身体的症状:腹痛、腰痛、頭痛、乳房の張りや痛み、むくみ、疲労感
  • 精神的症状:イライラ、憂鬱、不安、集中力の低下、情緒不安定

これらの症状は月経の1〜2週間前から始まり、月経が始まると軽減するのが一般的です。

PMSの原因

PMSの正確な原因は未だに完全には解明されていませんが、以下の要因が関与していると考えられています

  • ホルモンバランスの変動:月経周期に伴うエストロゲンやプロゲステロンの変動が、身体的および精神的な変化を引き起こします。
  • 神経伝達物質の変化:セロトニンやドーパミンなどの神経伝達物質の変動が、気分や行動に影響を与えることがあります。
  • 生活習慣:ストレス、不規則な生活、栄養不足などもPMSの症状を悪化させる要因となるといわれています。

PMSへの対応方法

PMSの症状を軽減するためには、以下のような対応方法があります

1. 食事と栄養の改善

栄養バランスの良い食事を心がけることで、ホルモンバランスの安定に影響します。特にビタミンB群やマグネシウムが豊富な食品はPMS症状の軽減に役立ちます。ビタミンB群が豊富な食べ物は豚肉、レバー、などの肉類、マグロの赤身などの魚類にも多く含まれています。マグネシウムはバナナ、わかめなどの海藻類に豊富に含まれ、PMSによるイライラや過度な食欲を軽減するのに役立ちます。

カフェインやアルコールはPMSの症状を悪化させる可能性があるため、摂取を控えることが推奨されます。

2. 定期的な運動

適度な運動は、エンドルフィン(幸福ホルモン)の分泌を促進し、ストレスの軽減や気分の向上に役立ちます。特に有酸素運動は効果的です。

3. ストレス発散

ストレスを軽減するための自分なりの方法を持っておくことはとても大切です。(深呼吸、趣味の時間を取る、軽く運動する、ゆっくり過ごすなど)

4. 十分な睡眠

睡眠不足はPMSの症状を悪化させるため、規則正しい睡眠習慣を維持することが大切です。

5. 専門家の相談

症状が重く日常生活に支障をきたす場合は、婦人科医やカウンセラーに相談することを検討してください。ホルモン療法やカウンセリングが有効な場合もあります。

PMSは適切な対応を取ることで症状を軽減し、日常生活の質を向上できる可能性もあります。自身の体調と向き合い、必要な対応を取ることで、PMSと上手に付き合っていきましょう。

まとめ

月経周期を理解することは、健康のためにはもちろん、効果的にダイエットを行うためにも必要不可欠です。体からのサインを無視して無理なダイエットを続けることは、ストレスの増加や健康問題を引き起こすだけではなく、リバウンドの可能性も高くなります。月経周期に応じた選択を取ることで、健康かつ継続的なダイエットが可能となり、結果としてダイエット目標も達成することができます。

ボクシングトレーニングを通してダイエットの成果を出すためには、ただ単に食事量を制限したり、運動量を増やしたりすることだけではありません。

月経周期を理解し、それに合わせて食事内容やトレーニングのアプローチを変えることが、成功への鍵となります。

以上、参考になれば幸いです。

本日もお読み下さりありがとうございました。